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中国は脅威ではない ―― 普天間問題などでしばしば聞かれる言葉です。その根拠として挙げられるものは様々ですが、その一つとして「経済相互依存」論があります。「米中、日中、中台間の経済的な相互依存関係がこれほど深化しているのだから、中国が台湾や日本に対して侵略的行為を行えば、中国経済に与える損失も免れない。ましてや米中衝突など考えられない」、というものです。「経済相互依存」が紛争を抑止するという考え方で、核戦略概念である相互確証破壊体制(MAD)になぞらえて、経済的相互確証破壊(EMAD)とでも言い表せるでしょうか。 ここで重要なことは、第一次世界大戦やそれに続くいくつかの戦争の生起によってEMADはすでに否定された議論である、ということです。にもかかわらず、経済の相互依存関係だけを盾に、中国脅威論を否定しようとするのは、「為にする議論」と言えるでしょう。 では、経済的な結びつきがどれほど強く
この春、遅きに失したとはいえ高校の無償化が曲がりなりにも実現した。さて今度は大学の無償化論議の出番だと思いきや、現実は真逆へ向かっている。国の財政再建圧力で、大学への援助が削られそうな雲行きだ。学費が上がれば、日本の未来を担う才能がますます貧困に埋もれてしまう。 子どもの教育で優先されるべきは、機会均等原則の確保だろう。ところが、この国は義務教育を除いてその責任を放棄し、世の親の財布につけ回してきた。よって、親の収入の多寡が子どもの教育格差となって立ち現れてきている。 この国は、子どもの教育を人権問題とは心得ていないようだ。国際人権規約をめぐる留保の問題はその象徴だろう。日本は一九七九年に批准したのだが、そのうち「経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約」の一三条二項の一部を留保してきた。
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