海老原嗣生・荻野進介『名著で読み解く 日本人はどのように仕事をしてきたか』を読む。 戦後に出版された(日本の)雇用系「名著」の中身と、その本の歴史的な存在意義を解説している。 だが、それだけではなくて、その「名著」の著者たちの「コメント」(反論?)も掲載している。 とても勉強になるだけでなく、フェアな書物でもある、といっていいだろう。 著者側と、読者側のスタンスや考え方の違いを踏まえて読むのが、この本を楽しむコツである。 この著者の一人については既に、ここの記事で書いたことがある。 興味のある所だけ。 戦前では旧制大学を卒業して職員として入社した新入社員の初任給は、50代の熟練工員の三倍以上だった(21頁)。 それだけではない。 職員は月給制に対して、工員は日給制。 各々で、使えるトイレや売店も違い、売店で売られている品目も差がついていた。 片や内地米、片や植民地の外地米である。 まさに身