矢野和男氏の筆になる『データの見えざる手-ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則-』(草思社)という本が話題になっています。アダム・スミスの「神の見えざる手」を模したグッド・ネーミングですね。 内容紹介の文章に,「人間の行動を支配する隠れた法則を方程式で表す」という一文があります。これは統計学の基本テーゼであり,重回帰分析や数量化Ⅱ類なども,この考え方に依拠しています。 7月19日の記事では,所得,高学歴率,大学収容力という3要因から各県の大学進学率を推計する重回帰式をつくりましたが,今回は,子どもの学力についても同じことをしてみようと思います。タイトルにあるような,東京都内23区の学力の推計です。 東京都は毎年,独自の学力調査を実施しています。『児童・生徒の学力向上を図るための調査』です。私は都教委に情報公開申請をして,2013年度の都内市区別の結果を入手しました。地域分散の大