日本最大の指定暴力団「山口組」が3つに分裂するなど、ヤクザを取り巻く状況の変化が慌ただしい。ことに世間の風当たりは強く、そのシノギ(収入)も年々厳しくなっているといわれる。さらに、共謀罪(組織犯罪処罰法)も成立した。はたして、ヤクザは生き残れるのか。長年にわたって山口組の顧問弁護士をつとめた元弁護士で、作家の山之内幸夫さんに聞いた。 ●「ヤクザは特殊詐欺をあまりやっていない」 ――なぜ、ヤクザのシノギが厳しくなったのか? 賭博、売春、薬物が、ヤクザの基本的なシノギです。それに加えて、民事介入暴力が、非常に肥大化していました。債権取り立て、倒産整理、闇金・高金利などの収入源がありました。一番大きかったのは、不動産バブルのときの地上げですね。あのころが一番、金が流れました。 それらが国の法律によって、できなくなっていくんですよ。たとえば、倒産整理、総会屋、示談屋、競売屋はほとんどなくなった。総