パリ・コミューン(下) (岩波文庫)/岩波書店 ¥1,197Amazon.co.jp ×月×日 現在、 「失われたパリの復元」というタイトルの連載をもっているが、「失われたパリ」というからには「失われる」前のパリを一通りお浚いしておかなくなてはということで、パリの歴史について復習しているが、その場合、エティエンヌ・マルセルの反乱にしろ、アンリ四世のパリ入城、フランス革命にしろ、最終的な決め手となったのはパリの民衆のそこ知れぬパワーであった。そのパワーが大爆発したのが一八七一年のパリ・コミューンで、左翼学生だったころに色々な文献をずいぶんと熱中して読んだものだが、今度、H・ルフェーヴル『パリ・コミューン』(河野健二・柴田朝子・西川長夫訳)が岩波文庫で再刊されたのを機に読み返してみて、思わぬ発見をした。いまさらルフェーヴルでもあるまいという予見が少しあったのだが、これが意外におもしろいのである