佐渡島を舞台にトキを野生に復帰させる事業に取り組んでいる環境省などは、次回以降の放鳥方法を群れの形成につながる「ソフトリリース方式」に変更する方針を固めた。9日、新潟市で開かれるトキ野生復帰専門家会合で方針が示される見通しだ。(高橋淳) ソフトリリース方式は、えさ場となりそうな場所に新たに簡易型のケージを設置するか、現在使用しているケージの扉を開放し、中からトキを自然に飛び立たせるなどの方法。トキに与えるストレスが少ないうえ、群れの形成にもつながりやすいとされる。 昨年9月の放鳥の際は、10羽のトキを別々の木箱に入れて放鳥する場所に運び、箱のふたを開けて飛び立たせる「ハードリリース」と呼ばれる方法を採った。しかし箱に入れられたトキが、ふたが開いた瞬間にパニックを起こしてばらばらの方向に飛び立つなどし、現在も群れやペアにならず、単独で行動しているトキもいる。このため新たな放鳥方法について