携帯電話の契約者情報が記録されるSIMカードを入手しスマートフォンの電話番号を乗っ取る「SIMスワップ」の被害が全国で相次ぐ中、SIMスワップによって約1千万円を奪われた神戸市で港湾運送業を営む男性社長(61)が産経新聞の取材に応じた。数時間のうちにスマートフォンが使えなくなり、銀行口座も乗っ取られた男性は「携帯電話ショップは身分証の確認を徹底してほしい」と訴える。 昨年7月のある日の夕方、会社でテレビ会議を終えたときだった。スマートフォンで電話をしようとしたが、つながらない。故障を疑い、携帯電話ショップに駆け込んだ。 店員にスマホの確認を依頼し、しばらくすると店員が戻り、こう告げた。「解約になっているようです」。全く身に覚えがなく、耳を疑った。 さらに調べてもらうと、男性が携帯ショップを訪れる約4時間前に、60キロ以上離れた京都府長岡京市の店舗で、男性の名前を名乗った男が、「番号持ち運び