三式潜航輸送艇(さんしきせんこうゆそうてい)は、日本陸軍の潜水艦。通称のまるゆ(○の中に「ゆ」(ゆ⃝)と書く)で知られる[1][2]。「ゆ」は「輸送用」の頭文字[3]。1型と2型があり、主に輸送任務で用いられた。計画時の呼称は「イ号特種艇」[4]。 レイテ島の戦い(多号作戦)で3隻が実戦投入され、輸送任務に成功した艇もある[5][6]。陸軍は最終的には400隻以上の建造を計画していたが、終戦までに完成したのは38隻に留まった。 陸軍における独自の輸送艇の構想は、1942年(昭和17年)3月ごろには陸軍参謀本部の船舶・運輸関連部門の佐官の間にて立案されており、「貨物輸送艇」としての設計・研究が行われていた[7][8]とされるが、潜水艦を輸送艇とするより具体的な計画は太平洋戦争中の南東方面戦線(ガダルカナル島攻防戦、ニューギニア攻防戦)において[9]、日本陸軍が補給に苦しんだことをきっかけに立