この記事では Python 3.7 で採択された PEP 561 Distributing and Packaging Type Information について簡単に解説し,PEP 561 に準拠した,型ヒントを含むパッケージの作成方法について紹介します. PEP 561 以前の型情報の配布事情 PEP 561 以前は主に typeshed を通じて,標準ライブラリ・サードパーティーの型情報が配布されていました.typeshed にはパッケージの開発者が同意したパッケージの型情報しか登録できないという制限や,どのバージョンのパッケージの型情報かという情報が含まれていないという問題,typeshed のメンテナーによるレビューが必要なためスケールしづらいといった問題がありました. 詳細は割愛しますが,PEP 484 の “Storing and distributing stub file