豊橋鉄道田口線の廃線50年を記念した新城市門谷、鳳来寺山歴史文化考証館・観来館(みにこんかん)の企画展で、1枚の通学定期券が話題を集めている。 鳳来寺-豊橋間の定期券が発行されたのは一九六八(昭和四十三)年四月九日。有効期限は半年後の十月八日。ところが、田口線はこの年の八月三十一日で廃線になった。 豊橋鉄道は六八年一月、運輸省名古屋陸運局(当時)に地方鉄道営業廃止許可申請書を提出し、地元と労組の同意を得て三月に許可された。「この時点で、八月末の廃線は決まっていたはず」と、設楽町田口の石井峻人(たかひと)さん(34)は話す。