前から読みたいと思っていたが、絶版のため読めずじまいだったラファルグの『怠ける権利』の翻訳がネットで紹介されていた。 怠惰への権利(怠ける権利) 1884 かなり短いので、とても本一冊の容量はないので、抄訳だと思う。ざっと読んでみると歴史的な記述が多くてあまり感動するものはなかったが、引用文を並べてみると、なかなか心に響くものがある。ラファルグは労働狂になってゆく時代の狂気をさかんに叫んでいるのである。 しかしそれから100年以上たってもほとんど変わらない状況から、ラファルグの言葉は以後の社会をなにも変えなかったことがわかる。消費社会や平等社会、福祉国家がますますわれわれを労働狂の社会にはりつける。 お金を稼ぎ、生きてゆくためには働かなければならないという自明性のもとに、ちっとも労働から降りられなくなってしまっている。なんとかここから逃れる方法はないのか、発想の転換はできないものかと思う。