新型コロナをリスクコミュニケーションの観点から分析している早稲田大学政治経済学術院の田中幹人教授に話を伺いました。 田中教授は科学ジャーナリズム論が専門で、厚労省の新型コロナ対策アドバイザリーボードメンバー。政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長らと専門家による積極的な発信を行っています。 「メディアイベントの両立」という意味で日本は失敗した 早稲田大学政治経済学術院 田中幹人教授 この記事の画像(8枚) ーーオリンピック後も感染拡大が続いています 新型コロナはスロー・ディザスター、ゆっくり型の災害です。1年半以上にわたる災害の中で「慣れ」が生まれ、有効な対策が取れていません。そこに矛盾したメッセージが加わることで、さらに緩んでしまったと感じています。 メディア論の分野ではオリンピックや戴冠式、ロケットの打ち上げなどは事前に準備されフォーマット化された「メディアイベント」として研究されてき