ニヒリズム(虚無主義)とは、生命から分離、懸隔して展開し、やがて陥ってしまったいわば精神的状況だと思うのです。 真理がもし光だとすれば、その光の見失われた闇の世界。 そういう精神的状況をニヒリズムと言います。 それでは、なぜニヒリズムをきたすこととなったのでしょうか。 18世紀末英国で始まった産業革命以降、経済的繁栄がもたらされ、人々の暮らしに余裕が生まれます。 それがやがて自由の気運を高め、自由の気運のもと個人主義が唱えられるようになります。 個人主義とは、相手の価値や権利や自由を認める代わりに自分のそれも認めて欲しいというものです。 お互いに個人を尊重し合うということでしょうか。 そういった時代的背景のもとに近代的自我が芽生えます。 近代的自我の特徴とは、その自我を支えたのが「自意識」だということです。 そして、ニヒリズムをもたらしたその根源はまさに「自意識」にあるのです。 それでは、