概要 ナスダックは1971年に、新興企業向けの株式市場として開設された。 1971年はニクソン・ショックの年だ。8月にリチャード・ニクソン米大統領が金とドルの交換を停止すると発表し、第2次世界大戦後の国際経済体制を支えたブレトン・ウッズ体制が崩壊している。また、この時期はベトナム戦争の末期にあたり反対運動が激化していた。1970年代は国際社会におけるアメリカ経済の地位低下が目立った時期で、米国にとって明るい時代ではなかった。ダウ工業株30種平均も長年高値を抜けず、やがて「株式の死」と言われるようになってゆく。このころ、高い経済成長を謳歌していたのは日本である。 ナスダックが出発したのはそういう時代だ。 1980年代に、アメリカ経済は復活への歩みを始める。長く続いた冷戦が終わり、1990年代は金融とITによるアメリカ一人勝ちの時代が来る。ITバブルの発生と崩壊はあったが、2010年代に入った