ブックマーク / bunchiku.com (27)

  • 【短編小説】42.195㎞(十一) - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ

    俺は、ずっと走り続けていた。 体中が悲鳴をあげていた。一歩進むたびに足に激痛が走った。体中から汗が吹き出し、もはや全身びしょ濡れだった。俺は汗をたらし、鼻水をたらし、よだれを垂らし、涙を流して走っていた。 はああ、はああ、と死にそうな声を出しながら、ぶつくさと何かをしゃべりながら、俺は走り続けていた。 はああ……はああ……ちくしょう、苦しいよ……はああ、はああ……なんでだよ……はああ、はああ……なんで、こんなに苦しんだよ……はああ、はあああ、はああ……まだかよ……はああ、はああ……なんで、こんな長いんだよ……はああ、はああ、はあああ……長すぎるだろ…… 走っているのか、歩いているのか、それとも、ただ、ふらふらとよろめいているだけなのか、だけど俺の足は前に向かって進んでいた。 はああ、はああ……いったい、いつ終わるんだよ……はああ、はああ……どこまで行けばいいんだよ……はああ、はああ、はああ

    【短編小説】42.195㎞(十一) - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ
  • 【社会に対して好き勝手に放言します】政治について語りたい - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ

    ほど、独裁者を嫌う国はないんじゃないだろうか。 そういうと、日には天皇がいるじゃないかというかもしれないが、天皇が絶対的な権力を握ったのは、はるか昔の古墳時代だけで、飛鳥時代にはすでにその存在は象徴的になっている。だからこそ、聖徳太子が天皇の代理として政治を司り、その後も曽我氏や藤原氏が実験を握り、そして武士の時代になり、結局、現在に至っている。 つまり、日人は中国などと異なり、絶対者をつくることを嫌い、いつの時代も天皇という象徴を一番上に置き、生々しい権力を表に見せず、密かにその傘の下に置くことを選択してきた。 こういう政治形態は、良くも悪くも極端に走る可能性が少ないため、政治が安定しやすいという傾向はあろう。日が世界中の国々の中で比較的、騒乱の時代が少ないこともその一因かもしれない。 だが、絶対者がいないということは、権力構造が分散的であるということと同義であり、決断に時間が

    【社会に対して好き勝手に放言します】政治について語りたい - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ
  • 【短編小説】42.195㎞(四) - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ

    職場では走ることは黙っていた。 特段、理由があったわけではないが、なぜかしゃべりたくなかった。形だけ言えば、単に市が主催するマラソン大会に出るだけのことで、他人にしてみればどうということもない。凄いなとか頑張ってとか何かしら言葉はもらえるだろうが、単にそれだけのことでしかない。 でも俺にとってこのマラソンはそんな軽いものじゃなかった。いわば、自分が生まれ変わるための儀式であり、自分の人生をかけた挑戦だった。そんなこと誰にも理解できないだろうし、理解してもらいたくもなかった。 マラソンに出ると決めてから、芙紗子とは話をしなかった。もちろん、仕事の話はするが、それだけ。以前のように事に誘ったり、仕事の合間に軽口を叩くこともなくなっていた。仕事が終われば、お疲れさまでしたと一言、誰につぶやくでもなく言って、そのまま席を立ち、職場を後にした。そんな俺の変化を彼女もなんとなく感じたのだろう。たまに

    【短編小説】42.195㎞(四) - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ
  • カクヨムの天使(下) - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ

    翌朝、私の期待は見事に裏切られた。近況ノートには何のリアクションもなかった。 その日は仕事どころではなかった。私は頻繁にスマホをいじってはリアクションの有無を確かめた。 相手だって仕事があるんだ、すぐに返事を出せる余裕がないのかもしれない。そんな風に自分に言い聞かせた。でも、そう思った数分後には再び机の脇においたスマホの画面を触っていた。 その一週間は私にとって残酷なくらい長くて、辛い一週間だった。私はほとんど仕事が手につかず、ひたすらスマホをチェックするだけの日々を過ごしていた。 私はもはや、ただ待つことに耐えられなくなっていた。金曜日の夜、私は家に帰るとバッグを放り投げて、そのままパソコンの前に座り、新しい小説を書き始めた。 短編ならすぐに書ける。今日中に仕上げれば明日には投稿できる。そうしたらカクヨムの天使が見てくれるかもしれない。それだけが私の心を占めていた。 私は徹夜で書き上げた

    カクヨムの天使(下) - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ
  • 【社会に対して好き勝手に放言します】総集編 - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ

    という国は素晴らしい文化歴史、精神性を持っている国だと思います。海外に行って、外から日を見るとそのことが当によく分かります。だが残念なことに最近どんどん日の良いところが失われているように感じます。 経済大国日、平和で豊かな日。 確かに外面だけみたら、そうなのかもしれない。だけど一枚皮を剥いだら、そこにあるのは薄汚く、利己的で、欺瞞に満ちた日の社会。こんなんで当に良いんですか? 僕は日が好きだし、 日に生まれてよかったと思うし、この日という素晴らしい国をしっかり自分の子供たちの世代につないでいきたい。 だから、社会に対して好き放題言わせてもらいます。やっぱり今の社会はおかしいってことを。ということで、お読みになる方によっては、そりゃ違うだろと思う方もいるかもしれませんが、あくまでも僕個人の心の叫びだということで、ご容赦願います。 僕の中に棲む鬼 僕が書く理由 その一

    【社会に対して好き勝手に放言します】総集編 - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ
  • ボディタッチ攻撃 - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ

    男に対して、ごく自然にボディタッチをしてくる女性がいます。 男の肩を叩いたり、腕を引っ張ったり、胸を体にあててきたり、物凄い至近距離で顔を覗き込んできたり。 こういうことをする人に対しては、女性の中でも賛否両論あるでしょう。 だが、この攻撃はとてつもなく強力です。 まず大半の男は平常心ではいられません。 例え、男の心に秘めた女性がいたとしても、いつえるか分からないキャビアより、牛丼でいいやとばかりに、バクっといついてしまいます。 ところが、いざいつこうとすると、するりと逃げられる。 えっ、俺に気があるんじゃなかったの! と男は夜な夜な煩悶することになります。 女性の身を案じるので、声を大にして言いたい。 男心を弄ぶのはやめてください! ほどほどにしないと、ストーカーになったり、いきなり襲い掛かられたりしますよ。 ただ、このテクニック。 使い方を間違えると、男の気持ちが離れる場合がある

    ボディタッチ攻撃 - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ
  • 嫉妬 - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ

    以前、恋愛ジャンルに対する男と女の考え方の違いについて書いたことがあったが、書き手という立場で考えても、どうにも恋愛作品を書くのが難しい。 bunchiku.com なぜかというと、恋愛小説を書く上でどうしても必要と思われる嫉妬という感情を僕はあまりリアルに想像できないからだ。 そもそも、嫉妬という感情を僕は持ったことがあるのだろうか? キャプテン翼みたいなサッカー選手になりたいなと思ったことはあったけれど、それは憧憬であって、嫉妬ではない。 クラスにイケメンもいたが、別にそいつになりたいと思ったこともない。 社会で自分より頭のいい奴や、金を持ってるやつもたくさんいるが、別にそいつらに生まれ変わりたいと思ったこともない。 好きな人ができたとしても、その人に彼氏がいると知っただけで、恋愛感情は奇麗さっぱり消え去り、その彼氏とやらをうらやましいと思ったこともないし、どんな奴か知りたいと思ったこ

    嫉妬 - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ
  • 【面白い小説の書き方について考える】現在の心境 - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ

    物語を書いている方々は、自分の作品を読み直したりするんですかね。 僕はふと思い立つとつらつらと読んでしまう。しかも、完全に読者視点で。 自分で書いたくせに、うるっときたり、勝手に盛り上がったりする。また過去にいただいたコメント見てほくそ笑んだり、そうなんだよと一人で頷いたりしているのである。 以前も言ったが、自分が作ったキャラに自分が一番はまっているのである。 もう、そのキャラが大好きなのである。 それってどうなんだと思うかもしれないが、実際にそうなんだからしょうがない。 だから僕はいずれ自分の書いた作品は全部書籍にして自分の家の棚に大事に並べたいと思っているのだ。 もちろん、金に糸目をつけず豪華な装丁のハードカバーにする。 昔と違い、今ではアマチュアだろうがなんだろうがを作れる。電子書籍なら、金をかけずに売ることさえできる。随分便利な時代になったものだと思う。 まあ、それでってくの

    【面白い小説の書き方について考える】現在の心境 - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ
  • 【社会に対して好き勝手に放言します】エロとエロス - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ

  • 『文学におけるエロ表現の追求(おわり)』 - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ

  • 『文学におけるエロ表現の追求(十三)』 - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ

  • 『文学におけるエロ表現の追求(十二)』 - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ

  • 【笑えるコメディ短編小説】『文学におけるエロ表現の追求(九)』 - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ

  • 【笑えるコメディ短編小説】『文学におけるエロ表現の追求(八)』 - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ

  • 一人でも笑ってくれたら幸せです - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ

    カクヨムで出会った仲間との交流を題材にした特集もこれで最後になります。最後は、この方のコメントです。 「昨日の作品も読み応えあり、勉強になりました。母親は幼い私を膝に入れ、をたくさん読んでくれました。学校で賞を貰うとすごく喜んでくれ、褒めてくれました。今、創作が好きなのも母親の影響だなと思います。難しい評価はいらないんです。たった一人でも笑ってくれたら幸せです。今は娘が笑ってくれます(*´∇`*)」(Hさん) 創作するのに小難しい理由なんていらないんです。 ある時、ふと何か書きたくなる。 それでいいんです。 それが当たり前であり、長続きの理由なんだと思います。 僕も最初そんな感じで書き始めました。 公募に送ろうだとか、誰かに見てもらおうとか、そんなことは全く思わなかった。 ただ、こんなの書いたら面白いだろうなと思って書き始めた。 今だって、楽しいから書いている。 確かに苦しい時もある。で

    一人でも笑ってくれたら幸せです - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ
    kyakyuukokumin
    kyakyuukokumin 2024/06/08
    確かに!励ましのコメントもらえるとすごくモチベーションになりますよね。分かります。
  • 書き続けていくのが一番 - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ

    今日は、この方のコメントです。 「久々にこちらを読みにきました。というのも九月末の公募賞に出す長編を書くので手一杯で、三週間ほどすべての交流を自主断絶していたからです。おかげさまで期日内に投稿完了できました。今回初めてカクヨム系列の投稿サイトに投稿したのですが、カクヨム系列の方がエブリスタよりpvが気になる構造でした。私は(自主卒業しましたが)すこしまえまで一年間、はてなブログをやっていたのですが、カクヨムさんははてな系列なんですね。たしかに、はてなとカクヨム系列はなんか書き手側にかかる圧が似てる。でもおっしゃるとおり、読んでもらう数を増やすことや露出に力入れてる時間があるなら公募に比重をかけたほうがいいなと思います。今はエブリスタで短編のコンテスト作品を上げています。とにかく書き続けていくのが一番ですね」(Yさん) Yさんから初めてコメントを頂いた時、ああ、やっぱり、公募を目指して頑張っ

    書き続けていくのが一番 - アマチュア作家の成り上がり小説ブログ
  • カクヨムでの活動に疲れてしまいました - アマチュア作家の成り上がり執筆録

    今日は、この方のコメントです。 「丁度カクヨムから少し離れようと思ってたところに、こちらのエッセイを発見いたしました。カクヨムライフは一年ほどですが、こちらのエッセイでも触れられていた通り、確かに投稿作品数は多いけどどれも承認欲求の塊のような作品が多すぎて、陶しいくらい長いタイトルが占拠する代わり映えの無いランキングを毎回見るのにも疲れ、テンプレだけを踏襲した多様性の無い作品群が手を変え品を変えをしているだけの状況に違和感を感じてたところです。確かにロイヤルティプログラム導入後、空気が変わった気がしますね。初めて参加した去年のカクヨムコンでも、感想を書いてくれたら宣伝しますみたいなのに引っかかって(問題を起こし過ぎた方なのでカクヨムからは退会されたそうですが)無理やり感想書かされたりしたし⋯⋯。創作自体は続けますけど、カクヨムでの活動は私も疲れてしまいましたね」(Oさん) 期待して、楽し

    カクヨムでの活動に疲れてしまいました - アマチュア作家の成り上がり執筆録
  • 読者交流サロン その8 - アマチュア作家の成り上がり執筆録

    今日は、この方のコメントです。 「力が正義という時代。家柄や血筋が通用しない時代。暴力渦巻く時代に弱き人たちが団結して知恵と勇気で乗り切るのが好きです。好きな時代を探してみたら、なるほど! 自分が何を書きたいのか、というのが明確になりました。ありがとうございました」(Hさん) 前に「書きたい時代」というテーマについて私見を述べましたが、結構、共感いただいた方が多かったです。 bunchiku.com 毎度毎度言ってますが、自分は何を書きたいのかという問い、それを突き詰める際に自分が関心ある時代を探っていくというのは一つの手法なんだと思います。 自分が好きな時代が分かれば、書きたいものの輪郭が浮き上がってくる。 中世の宮廷文化が好きなら、貴族たちの甘い恋愛物語なのか。 戦国乱世が好きなら、英雄たちの興亡のドラマか。 江戸時代なら、庶民の人情ものか。 でも普通であれば、僕たちはこの時代に生きて

    読者交流サロン その8 - アマチュア作家の成り上がり執筆録
  • 【笑えるコメディ短編小説】『文学におけるエロ表現の追求(五)』 - アマチュア作家の成り上がり執筆録

  • 読者交流サロン その7 - アマチュア作家の成り上がり執筆録

    今日は、この方のコメントです。 「風景描写は大事ですよね。自分の場合は異世界物を読むのも好きで、書いている訳ですが…… 「異世界ものに余計な風景描写はいらない。そこはよくある中世ヨーロッパ風のまちだったとでも書いとけばいい」 と言うのが、ちょっと違うだろって思いました。勿論、そういう中世ヨーロッパ風の街は異世界につき物です。でも、異世界であっても風景描写は大事だと思う。だって、異世界のいいところって、全てが空想で出来てるんですよ? もっとも神秘的な世界を創れるのが異世界じゃないかと思うんですけどね……まぁ、そう言う私も文章力にあまり自信ないので、偉そうな事は言えないのですが… だからと言って異世界だから風景描写をしないと言うのは、すごくその作品の世界観で損をしてると思う。出すぎた意見かもしれないですが……」(Nさん) この創作論(?)のかなり始めの頃に書いた風景描写の必要性。 実は今、それ

    読者交流サロン その7 - アマチュア作家の成り上がり執筆録