日本の高血圧患者数は約4300万人、患者数が最も多い生活習慣病と言われているのをご存知だろうか。そのうち、自身が高血圧であると認識していない人は1300万人、認識しているが血圧を下げる努力を何もしていない、管理不良者は3000万人にものぼるという。 このように、他の生活習慣病に比べ、高血圧に対する人々の危機意識が低いのは、身体的な症状がすぐには現れないことが原因だと考えられている。しかし、症状が見えにくくても、体のなかでは脳梗塞、心不全などの大病を発症するカウントダウンが始まっている。 現在、世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルスの場合、感染して重症化した人のうち、約2分の1から3分の1は、もともと高血圧、糖尿病、心血管疾患などの根本的な医学的併存疾患があったことが報告されている。 その理由について、高血圧専門医であり、東京女子医科大学高血圧・内分泌内科教授の市原淳弘氏は、次のように