量子科学技術研究開発機構(量研機構)の那珂研究所(茨城県那珂市)で、今年中頃にも核融合研究装置「JT―60SA」の運転が始まる。国際熱核融合実験炉「ITER」では難しい高圧でプラズマを維持する実験を行い、核融合原型炉に必要な運転技術の確立を目指す。現在は絶縁部改修作業後の超電導コイル全体を最終確認する「パッシェン試験」を実施中。コイルの冷却に必要な真空排気運転(統合試験運転)、通電試験を経てファーストプラズマ(運転開始)が実現する。 JT―60SAはITERによる研究の補完を目的とし、日欧が共同で建設してきた。ITERと同様、強力な磁場でドーナツ形状のプラズマを閉じ込める「トカマク方式」を採用している。 2025年を予定するITERのファーストプラズマに先駆けて、JT―60SAの実験に着手。実験で得られた課題や成果をITER計画に反映させる。 JT―60SAは13年1月に着工。機器の組み立