米アマゾンの過酷な職場風土を報じた『ニューヨーク・タイムズ』紙の記事は、大きな驚きと賛否を呼んだ。ハーバード大学ロースクールのキャス・サンスティーン教授は、同社のある側面に対して“賛”を唱えた。集団の調和を抑制することは、優れた慣行であると指摘する。 私が米政府の仕事に就いていた頃、メディア報道の事実誤認の多さに驚かされてきた。広く読まれた記事でも、一流の新聞でも例外ではなかった。2009年、同僚の1人で筋金入りの民主党員はいみじくもこう言った。「いまになって思えば、自分がブッシュ政権に対して気に食わなかったことの少なくとも半数は、事実ではなかった」と。 私がこのエピソードを述べたのは、アマゾンに関する『ニューヨーク・タイムズ』紙の記事を読んだからだ(英語記事)。同社の社風が過酷であるらしい特徴を詳述したその内容は、大いに割り引いて受け止める必要がある。だが、記事に多くの誤認がある可能性、