きゅうりが好きだ。「栄養がない野菜」と言われて久しいけど、そもそもあいつに栄養なんて求めちゃいけないと思う。噛んだ瞬間から体内に広がっていく瑞々しい水分、それこそがきゅうりの真骨頂なのだ。 もういっそ「野菜」カテゴリから脱退して、「水分」カテゴリに参入してしまえばいいとも思う。南アルプスの天然水、ポカリスエット、ミネラル麦茶やココナッツドリンクあたりと互角に張り合う姿勢こそが、本来の姿なんだと。 でもそんな思いは虚しく、今の東京できゅうりを水分と同じように扱うことはとても難しい。乗り越える方法はないものだろうか。