突然ですが、「世界三大ベイエリア」と言われる大都市圏はどこかご存じですか?答えは、東京、ニューヨーク、サンフランシスコです。ところが、いま、この世界三大ベイエリアをはるかにしのぐプロジェクトが中国南部で進んでいます。その名も“グレーターベイエリア”=「大湾区」構想。広東省の広州や深※センなど9つの市に香港とマカオを加え、人口7000万近い大都市圏を構築するという野心的な計画です。中国の習近平指導部は、高度な自治が認められている香港とマカオを取り込み、地域の一体化と経済発展の「一石二鳥」を狙っていますが、警戒感も広がっています。(※「土」偏に川)(香港支局記者 若槻真知/広州支局記者 馬場健夫) この秋、中国南部に2つの大型インフラが完成し、中国政府が国家の威信をかける大湾区構想が本格的に始動しました。 まず9月23日に広東省広州と香港を結ぶ、全長142キロの高速鉄道が開業。これまで2時間余