今年6月以降、日本を席巻した「半端ない」は、この人が10年以上前から目をつけていた言葉だ。人呼んで「言葉ハンター」は、新しい言葉が生まれていないか、満員電車の女子高生の会話に耳を澄ませ、SNSの片隅のやりとりに目を配る。正しい日本語の総元締のような「辞典」に、なぜそこいらで生まれる新語が必要なのか。 ――「半端ない」は、2014年に改訂した三省堂国語辞典第7版に載っていました。 「『半端ない』を初めて耳にしたのはNHKの漫才番組でした。1990年代に用例がありますが、広まったのは21世紀になってからです。前回の改訂作業のとき、人々の間に定着していると考え項目を立てました」 ――辞書に「新語」は必要ないんじゃないでしょうか。 「新語や新用法こそ必要なんです。例えばいまメールを書くときに辞書を調べようとして、世の中でみんなが使っている言い方や意味、用法が載ってなければ、その辞書は実用的とは言え
![日本語の正誤こだわる社会「辞書も加担」 飯間浩明さん:朝日新聞デジタル](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/2742d042d42cfdcb41fbbc7c3f85ec6ebbb472db/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.asahicom.jp%2Farticles%2Fimages%2Fc_AS20180823003078_comm.jpg)