お片付けコンテンツを愛好する活字好きの皆さまに、かの悪名高き「肥大した承認欲求」をつぶさに描いた素敵小説を紹介させてください 「あの光」(香月夕花著/集英社・2,200円税込) 帯に書かれた「自己啓発と承認欲求の闇を撃つ問題作」のコピーが、作品のテーマを端的に表しています。 あらすじは以下▽ ハウスクリーニングサービスで働く高岡紅は、丁寧な仕事と気配りで指名が入るほど信頼を得ていたが、待遇の悪さや部下の対応に腐心する日々に疑問を抱いていた。 そんな折、十代から水商売で身を立てた母・奈津子から独立を促され起業を決意。 仕事は軌道に乗り、親しい顧客の勧めで「開運お掃除サービス」を新たな事業として立ち上げる。 そんな紅のブログがインフルエンサーの目に留まり、書籍出版とセミナー開催の運びに。 経験を活かした実践術と母親譲りの弁舌で聞くものを魅了し、一躍時の人になるも、ある日、紅のメソッドを曲解した