第89回全国高校サッカー選手権大会は滝川第二(兵庫)の初優勝で幕を閉じた。安藤隆人氏の総括コラムにある通り、今大会は、ボールを奪ってからゴールに向かって縦に早い攻撃を仕掛ける速攻を攻撃パターンに持ち、それを高い精度で実践できるチームが勝ち残る大会となった。わたしからもう1つ付け加えるならば、多様性があるとはいえ、滝川第二、久御山、流通経済大柏、立正大淞南と、明確なスタイルを持つチームがベスト4に残った印象だ。 準決勝で滝川第二にPK戦の末に敗れた立正大淞南(島根)の南健司監督に試合後、「一発勝負の選手権のような大会でも、勝ちのみならずスタイルやポリシーを貫くことにこだわるチームが勝ち上がる印象でした」と感想を述べると、「ここ数年そういう大会に入ってきたなという気はします」と返ってきた。南監督は「(スタイルが明確な方が)分かりやすい、選手が成長しやすいというのは正直あると思います」と付け加