「若い才能が多くのチャンスに恵まれる機会を生かし、積極的に活用すべき」と語る佐野真由子教授(京都市下京区・キャンパスプラザ京都) 55年ぶり2回目となる国際博覧会(万博)の大阪開催が決まり、京都・滋賀でも万博への関心が高まった。市民からは世代を超えて関西の盛り上がりを望む声が上がる一方、京都を訪れる観光客増加に対しては期待と不安も。京大大学院・文化交流史の佐野真由子教授に聞いた。 ■「健康長寿」は発想が狭すぎる 万博は人類の総合的な成果を発信する国際社会の公式イベントで、今後の日本をリードするだろう若い才能が多くのチャンスに恵まれる機会になると期待する。実験的な試みが可能で、大規模な文化イベントは頻繁にあっても、この点で匹敵するものはない。 1970年大阪万博ではパビリオンのユニホームをデザインしたコシノジュンコさんをはじめ、会場の総合設計を担当した建築家の丹下健三さんの門下生たちも飛躍の
細い繊維を植え付けて立体的なデザインに仕上げたトレーナーを持つ吉田さん。自社ブランドを立ち上げ、販路を切り開いた(京都市西京区・ティーヘッド) 京都市西京区の住宅街の一角に、著名なブランドも一目置く小さなアパレル会社がある。専門は、細い繊維を生地に植え付けて立体的にデザインする「直(じか)植毛フロッキー」という加工法。独特の風合いと臨場感のある意匠は一部で熱烈な人気を博すが、社業が定まるまでには紆余(うよ)曲折があった。 経営するのは吉田貴志さん(42)。家族を含め総勢5人の小企業だ。かつて勤めていた中小企業の営業先でこの技法を持つ年配男性と出会い、弟子入りした。1年かけて加工のノウハウを習得。2005年に「ティーヘッド」を創業した。 だが知名度は低く、営業は苦戦した。受注に結びつかず、プリントTシャツの下請けで仕事をつなぐ日々。焦りから方向転換を考え、技術を応用してビール製造時に出る麦芽
オムロンが2001年に発売した「ネコロ」。リアルさを追求し、当時最先端の技術も詰め込んだ(京都府木津川市・オムロン京阪奈イノベーションセンタ) 世界的な景気拡大を背景に企業業績が好調だ。京都でも大手を中心に、収益を大きく伸ばす企業が相次ぐ。技術の高さや独特の経営哲学が注目されがちな京都企業だが、躍進の裏にある数々の「失敗」は意外と知られていない。各社の歩みを振り返ると、新市場への挑戦と挫折をばねに成長してきた姿がみえてくる。 茶とグレーが混じったふさふさの毛並み。触ると心地よく、今にも鳴き出しそうだ。 制御機器メーカーのオムロン(京都市下京区)が2001年に発売したネコ型ロボットの「ネコロ」をご存じだろうか。売りは実物のネコのようなリアルさ。5千台限定で、価格は18万5千円だった。 1999年にはソニーがイヌ型ロボット「AIBO(アイボ)」を発売し、家庭用ペットロボットの時代が幕を開けた時
高齢化社会に合わせたペットにまつわるサービスが京滋で広がっている。老いたペットの介護施設やペットの信託相談に取り組む事業者、行き場をなくした動物の譲渡を支援する企業もあり、社会的な課題の解決に取り組んでいる。 部屋の中で白衣姿のスタッフがイヌとボール遊びに興じる。隣の部屋では、別の小型犬の体調を細かくチェックしていた。 京都市西京区の「シニアペットケアステーション」は、主に高齢の老犬を24時間体制でケアする介護施設だ。ペット向け総合サービスベンチャーのマイプレジャー(上京区)が昨年6月に開設した。 事業のきっかけは、ペットの高齢化だ。獣医学やペットフードの進歩でペットが長寿化する一方、歩行や認知機能の衰えで「要介護」の老犬が増加。ペット預かりサービスもあるが、年齢制限がある施設が多く、「老犬の介護が空白地帯になっていた」(佐伯浩二専務)。 診療所を改装した同施設は、老犬介護士の民間資格を持
家族の穏やかな日常を取り戻し、バスケットボールに打ち込む3兄弟(右から青登くん、虹太くん、侑矢くん、京都市北区) 3歳で白血病を患い、骨髄移植で命を取りとめた山岡虹太(こうた)くん(6)=京都市北区=の家族が、同じ病気で苦しむ人たちの助けになりたいと、骨髄バンクへの登録を呼びかけている。兄の青登(はると)さん(14)は中学の部活仲間と共に、タスキでバンクをPRする活動を始めた。「ドナーが見つからなければ生きられない人がいることを知ってほしい」。思いが誰かに届くことを願い、奮闘を続けている。 虹太くんが患ったのは、血液をつくる細胞ががん化して急速に増殖する「急性骨髄性白血病」。風邪の症状が1週間以上続き、異変を強く感じ取った母紗恵子さん(39)が何軒も病院を回って血液検査で判明した。直後から始まったのは、厳しい抗がん剤治療。5人家族の日常は一変した。 虹太くんは小さな体で抗がん剤の副作用に耐
京都市左京区の宝が池公園内で22日、北陸新幹線のルート選定に伴う掘削工事中に鉄道建設・運輸施設整備支援機構の下請け業者が配水管を破損させ大規模断水が発生した問題で、業者が配水管の位置を事前に確認していなかったことが23日、分かった。 同機構が配水管を管理する市上下水道局への事前連絡を怠っていたことも判明。同日、京都新聞の取材に「認識が甘かった。再発防止を徹底したい」(大阪支社総務課)と謝罪した。 同機構によると、業者が配水管の埋設図を確認せずに工事を行い、掘削ドリルで配水管を破損してしまったという。 左京区岩倉地域と北区上賀茂地域の約5千戸で発生した断水は、同日午前4時ごろに復旧した。掘削工事は北陸新幹線敦賀-新大阪の具体的なルート選定のための地質調査が目的。
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