栃木県HP 報道発表資料より 冬虫夏草は菌類(きのこ)の一種だ。冬眠している虫に寄生して、虫の養分を吸収しながら成長し、暖かくなると子実体(きのこの部分)を出すという奇妙な生態を有している。 ”冬虫夏草”という名前も、冬の間は虫の姿で過ごし、夏になると草の姿をすると信じられてきたことに由来している。きのこ特有の傘が無いことから、昔の人々がこれを”草”だと考えていたとしても不思議ではないだろう。 日本は冬虫夏草の宝庫であり、現在まで確認されている約500種のうち、実に400種もの冬虫夏草が日本に分布している。栃木県立博物館の学芸嘱託員・山本 航平氏は、栃木県内における冬虫夏草の多様性を調べるために2017年からフィールドワークを行っていた。その調査の一環で、山本氏は宇都宮市内で”ある特徴”をもった冬虫夏草を発見したという。コメツキムシの幼虫やサナギに寄生していたその冬虫夏草は、子実体の部分が