以下は『思考の整理学』の「整理」という稿からの一節です。ここで使われている「工場」と「倉庫」いうメタファーは、いずれも今日のワークプレイスにおいて健在です。 人間の頭はこれからも、一部は倉庫の役をはたし続けなくてはならないだろうが、それだけではいけない。新しいことを考え出す工場でなくてはならない。倉庫なら、入れたものを紛失しないようにしておけばいいが、ものを作り出すには、そういう保存保管の能力だけではしかたがない。 人間でいえば、「工場」は短期記憶であり、「倉庫」は長期記憶。コンピュータでいえば、「工場」はメモリであり、「倉庫」はハードディスク。料理の世界なら、まな板と冷蔵庫。お金の話に置き換えれば、手元の財布と銀行口座。洋服なら、着ている服とクローゼット。 挙げていくとキリがないのでこのあたりにとどめ、引き続き同書より引きます。 「工場」の整理と「倉庫」の整理の違い だいいち、工場にやた