出会ったばかりの資産家の老人がいう 「月100万あげるから結婚してよ。ここへは月一来てくれたらいいから」 守るべき経歴もお金も貞操もない若い女は、簡単に婚姻届けにサインした まさか本当に結婚するとも、本当にお金をもらえるとも思ってなかった それが結婚の顛末だった 妻となってから老人は女に、妻らしいことを求めた 老人を敬い世話をすること、家庭のまねごとをして見せること、夜の相手を努めること お金をもらえるならやってもよかったけれど、妻としてそれをやれ、と言われるのは息苦しく感じた もともと愛情なんてなかったのだ そんなので夫婦生活がうまくいくはずもなく、老人は不満を募らせ始めた 離婚する、とも言われた 結婚したいと言ったのはそっちだろう 金をやるから夜の仕事をやめろと言い、立派なマンションに引っ越させたのはそっちだろう 今更金をやらないなどと言われては困る 別れるならそれなりのことをしてもら