この期に及んで漸く『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない』(あの花)を全部見ようとは、周回遅れの行為でありアニオタ失格である。とはいえ、単行本執筆で目が回る忙しさだあったのであり、勘弁して欲しい。 本作については、敢えて余り多くを語るべきではないかもしれない。というのは、それほど本作の完成度は高いからであり、テレビシリーズの完結を以てそれぞれの見る者の心の奥底に、大切なアルバムとして保管して置くのがいいようにも思えるからだ。 しかし、本作を最後まで見てしまった以上、評せずには入られない。ということで遅きに失したが色あせない名作である『あの花』を評そうと思う。また、未だ『あの花』未視聴の読者諸兄に置かれては、ネタバレを含むので以下は読み飛ばして結構である。 まず特筆すべきは、A-1 Picturesの作画能力の高さであろう。特に背景描写は秀逸であり、アイジー、京アニ、マッドハウスと完全に
![そして「喪失」から立ち上がる人々〜『あの花』評 - アニオタ保守本流](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/00d73dddfa9abecd316033486136353595b95eb4/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2Fa%2Faniotahosyu%2F20111221%2F20111221075730.jpg)