食品公害「カネミ油症事件」を記憶している人は、もうほとんどいないかもしれない。発覚は1968年10月だった。食用米ぬか油の製造工程で有害物質ポリ塩化ビフェニール(PCB)が混入し、これを口にした人から皮膚の異常や内臓疾患などが続出。肌の黒い赤ちゃんが産まれ、社会に大きなショックを与えた。都道府県知事による認定患者は累計で2322人(死亡者を含む)を数えるが、半世紀前には健康被害を訴えていた人が1万4320人もいた。救済の手が伸びず、今も心身の不調に悩む人は大勢いる。(神戸新聞社/Yahoo!ニュース 特集編集部)