『魔法使いの嫁』は偽装ダークではないか。 今季は『魔法使いの嫁』が他を圧している。作劇がしっかりした唯一の物語である。進捗とともにチセと周囲の人間関係は変化する。受容され成長して家族になっていく姿がある。 残りは芳しくはない。もちろんすべてが作劇重視である必要もない。物語として弱いから悪いわけでもない。ただキャラクターへの依存が多い。その点で観客を選ぶ。 『妹さえいればいい』や『うまる』はその代表だ。奇矯な登場人物を造り奇矯な行動で気を引く形だ。だがその世界は狭い。ネット、ラノベ、ゲームと若年読者視聴者の想像できる範囲を出ない。さらに奇矯さもその想像範囲での奇矯さでしかない。想定範囲を外れた視聴者にはリアリティが感じられない。だからお歯もあてない。 対して『嫁』の質は群を抜いて高い。もちろん魔法やその周囲世界は実世界そのものではない。だが、その中での人物の行動は実世界の人間の感情行動を反映