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ブックマーク / kakuyomu.jp (1)

  • プロローグ①【書籍用改稿版】 - 小説・アカシックリコード/水野良 他(NOVEL 0) - カクヨム

    片倉(かたくら)彰文(あきふみ)は、自宅近くにある小さな公園のブランコの柵にもたれかかっていた。 目の前には、中学の制服を着たひとりの女生徒がいる。 ブランコに腰をかけ、両手でぎゅっと鎖を握っていた。 彼女は穂村(ほむら)千尋(ちひろ)。 彰文の幼なじみ。 家が隣どうしで、ふたりともひとりっ子だったから、姉弟のように育った。 千尋のほうが一学年上。 千尋はさっきまで屈託なく笑っていたが、今は顔を伏せている。 「そう……、東京の中学に、転校するの……」 千尋が絞りだすような声でつぶやく。 長い髪が流れ落ち、彼女の表情を隠している。 か細い肩がかすかに震えていた。 それを見て、彰文は気がつく。 (これは夢だ……) 中二の夏、千尋に転校することを告げたときの夢。 東京に越してから、何度も見ている。 長期休暇のときには遊びにゆく。 コミュニケーションの手段はいろいろある。 彰文は言葉をかけつづける

    プロローグ①【書籍用改稿版】 - 小説・アカシックリコード/水野良 他(NOVEL 0) - カクヨム
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