2016年10月11日と16日に、スタートラッカによる火星の撮影を行いました。 いつもこのサイトの記事を読んでくださっている方々のなかには「火星? 前にも撮らなかったっけ?」と思われる方もあるかもしれません。実際、2016年5月には光学航法望遠カメラ(ONC-T)による火星撮影が行われました(こちらの記事参照。光学航法望遠カメラはスイングバイ時に地球の画像を撮ったカメラとして、印象に残っておられる方も多いと思います)。しかし今回は「スタートラッカ」による撮影です。しかもこの撮影は、「はやぶさ2」が小惑星リュウグウにきちんと到着するための大事な準備の一つでもあるのです。今回はこれについて解説します。 「スタートラッカ」(筆者のパソコンでは最初「スタート落下」と変換されてしまいましたが、区切りは「スター・トラッカ」です)というのは、探査機が星の配置を見て自分の姿勢(向き)を知るための装置です。