大阪府警富田林署から樋田(ひだ)淳也被告(30)が逃走した事件は、署のトップが更迭される事態となった。府警が26日に明らかにした検証結果では、留置管理の担当者が内規に反してスマートフォンを操作したり、監査前に面会室の不都合な点を隠蔽(いんぺい)するなど、留置管理業務をめぐる問題点が次々と判明。個人の甘い認識と組織のずさんな態勢が絡み合い、前代未聞の逃走劇を招いた実態が浮かび上がった。 ■「おとなしい容疑者」 「7時半に接見したい」 府警によると、樋田被告の弁護士から留置管理担当の巡査部長(41)に電話があったのは8月12日午後5時ごろ。巡査部長は一緒に勤務していた警部補(50)には伝えたが、当直責任者には報告しなかった。 午後7時半ごろ、弁護士が署に到着。内規では容疑者を居室から出す際は、容疑者より多い人数で対応しなければならない。 しかし、警部補は約10分前から食事などのため、留置場外の