(参考写真)北朝鮮でもっとも貧しいのが農民だ。写真は平壌郊外の農村で大きなズタ袋を背負った農村女性の姿。2008年10月に撮影チャン・ジョンギル(アジアプレス) 北朝鮮各地の農村で飢餓の兆候が現れている。例年、春から初夏にかけて、前秋に分配された収穫を食べ尽し、秋の収穫までの端境期に食糧難に陥る「ポリコゲ」(春窮)が発生する。だが、今年は早くも4月初めから食糧を食べ尽してしまった「絶糧世帯」が発生し、各地の農場管理委員会は非常事態になっていると、農場現地を訪れて調査した複数の取材協力者が伝えてきた。(カン・ジウォン/石丸次郎) 咸鏡北道会寧(フェリョン)市の大徳里(デドクリ)、元山里(ウォンサンリ)などの協同農場で調査した取材協力者は次のように述べる。 「食べ物もお金も尽きて出勤できない農民が増えている。農場管理委員会では、この『絶糧世帯』の農民に対し、休暇名目で時間を与えるので自力で食べ