奈良県橿原市で、日本書紀や万葉集に登場する「磐余池」の堤とみられる遺構と大型建物跡(6世紀後半)などが出土したと、市教委が15日発表した。 大型建物跡は聖徳太子の父、用明天皇の宮殿との見方がある。これまで飛鳥時代(7世紀)より古い天皇の宮殿は確認されておらず、この発見が6世紀以前の都の実態を解明する重要な手がかりになりそうだ。 一帯は大和三山・天香久山の北にあたる藤原京跡の一角で、地形や地名などから磐余池の候補地とされていた。10月から道路工事に伴って発掘したところ、長さ81メートル、幅8メートル、高さ2メートルの堤跡を確認した。 周辺の地形などから、堤は「へ」の字状に伸び、最大幅55メートル、高さ3メートル、長さ約330メートルと推定される。複数の谷の水をせき止め、南北約600メートル、東西約700メートルの範囲に、手のひら形をした面積8万7500平方メートルの池を形成したらしい。平安時