『私は憎まない』の一場面(C)Filmoption 「殺された方がマシ。死んだ人がうらやましい」―市民の極限の声を伝えるのは、パレスチナ自治区ガザ・ジャバリヤ難民キャンプ出身の医師イゼルディン・アブラエーシュ博士だ。イスラエルの病院で働く初のパレスチナ人産婦人科医として知られ、尊敬を集めた人物。そんなアブラエーシュ博士と家族の悲劇を追ったドキュメンタリー映画『私は憎まない』(カナダ・フランス、各地で順次上映中)の10月上旬の公開に合わせて来日して間もない6日未明、イスラエル軍は突如ジャバリヤを攻撃した。映画の舞台ともなった5階建ての自宅は全壊、そこに暮らしていた親族の安否も分からない状況となった。博士は、眠れぬ夜を過ごし、その赤くなった目には涙をためていた。ロイター通信は10日、少なくとも市民130人以上が死亡したと報じた。(元イスラエル在住ダンサー 今在家祐子) 2023年10月7日、ハ