まさに前代未聞の事態だ。法務省/出入国在留管理庁(以下「入管」)が今国会に提出した入管法「改正」案に対し、「国際法違反」であるとして、国連の特別報告者3人と、国連人権理事会の恣意的拘禁作業部会が共同書簡を日本政府に送付したのである。さらに、この共同書簡は、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のウェブサイトでも公開されたのだ。 ○国連の専門家達が批判、入管の問題点とは 迫害から逃れてきた難民や日本人と結婚している等、帰国できない事情を抱える在日外国人に、法務省/入管が在留許可を与えず、その収容施設に長期収容している問題は、これまでも内外の批判を集めてきた。一昨年、長期収容中であったナイジェリア人男性がハンガーストライキ中に餓死した事件を受け、法務省/入管は、入管法の「改正」案をまとめ今国会に提出。だが、その法案が、 フェリペ・ゴンサレス・モラレス氏(移住者の人権に関する特別報告者) アフメ
迫害から逃れてきた難民や日本に家族がいるなど、帰国できない事情のある外国人を、その収容施設に長期収容している法務省・出入国在留管理庁(入管)。理不尽な収容によるストレスで多くの被収容者が体調を崩し、入管側が適切な医療を受けさせなかったことによる死者まで出している。入管の収容の判断のあり方については、各地の弁護士会や人権団体から批判され、そして国連の恣意的拘禁作業部会からも「国際人権規約に反する」と改善勧告されている。ところが、入管はQ&Aというかたちで、「開き直り」のような主張をそのウェブサイトに掲載した(関連情報)。これについて、入管問題に詳しい児玉晃一弁護士がファクトチェックを行った。 ○入管のQ&Aが酷い「入管法改正案Q&A」入管庁のウェブサイトより 入管による収容は、特に「オリンピックのための治安対策」で近年、2年以上の収容が常態化している。これに対し、国連人権理事会の恣意的拘禁作
ペットから人へうつる病気もある 人類は、1万年にわたって家畜と密接な関係を持ち続けてきたことで、ヒトは犬と65種類、牛と55種類、羊と46種類、豚と42種類、ヒトの感染症を共有しています。複数の宿主に感染するものも少なくありません。 アメリカの進化生物学者ジャレド・ダイアモンドは著書『銃・病原菌・鉄』の中で、「家畜は病気の温床であり、食物生産が感染症を生んだ」と記しています。牛からはハシカや天然痘、豚からは百日咳やE型肝炎、カモ類からはインフルエンザなどを感染しました。 ペットから人へうつる病気もあります。犬からは狂犬病やエキノコックス症、猫からはトキソプラズマ、小鳥からは鳥クラミジア症(オウム病)などです。ただし、東京都が都内の小学校で飼われている小動物187頭を対象に9種の病原体を調べた結果、病原体は見つかりませんでした。 このほか、国内で感染拡大や侵入が心配される動物由来感染症には、
上智大学大学院地球環境学研究科 教授 高校、大学時代に日本に留学。日本各地の農漁村のフィールドワークを開始(現在も活動中)。1991年ブリティッシュ・コロンビア大学東洋学部日本語科卒、2年アメリカ・カナダ大学連合日本研究センター(旧スタンフォード大学日本研究所)研究課程終了。97年に県立宮城大学客員教授、2011年より現職。農業・漁業を基にした日本学、環境学、環境歴史学が専門。主な著作に『気候変動列島ウォッチ』(清水弘文堂書房)、『日本の農漁村とわたし』(同)など。 温暖化や海面上昇など、気候変動に最も脆弱なのは零細な沿岸漁業や農業だと言われる。2019年9月、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)は、「温暖化は想定以上の速さで進み、2100年には深刻な事態になる」と警告する特別報告書を発表した。 上智大学大学院環境学研究科のあん・まくどなるど教授は、約30年間のフィールド・ワークを
たくさん食べているのに太らない人。片やいろいろなダイエットを試すも、なかなかやせられない人。自分の意志ではどうにもならないと思っていたこの「体質」に、腸内細菌が深く関わっていることが明らかになってきた。太りやすい体質を太りにくい体質に近づけることも不可能ではないという。はたしてその方法とは? 腸内細菌によって肥満が抑えられる可能性 腸内フローラの乱れが、肥満体質を生む。そんな研究が注目を集めている※1。この研究によれば、まず無菌マウス(腸内に細菌がいないマウス)を2つのグループに分け、一方にはやせている人の腸内フローラを、もう一方には太っている人の腸内フローラを移植。そして約1カ月間、同じエサと運動量で育てた。すると、やせている人から腸内フローラを移植したグループに対し、太っている人から腸内フローラを移植したグループは明らかに脂肪の量が多かったのだ。 なぜ2つのグループに違いが生まれたのか
米国メーン州沖で採れた海藻類。(PHOTOGRAPH BY REBECCA HALE, NAT GEO IMAGE COLLECTION) アマゾンの森林火災が続くなか、二酸化炭素を吸収してくれる森づくりへの関心が高まっている。しかも、その「森」は焼失することがない。なぜなら、水中にあるからだ。(参考記事:「未曽有のアマゾン森林火災、動物への影響は」) 炭素の吸収源として重要な熱帯雨林が森林伐採による大打撃を受けている今、気候変動対策として、海藻に注目した研究が増えている。昆布の仲間のような大型の藻類からなる「海のジャングル」は、成長が速く、非常に効率よく炭素を貯蔵できる。また、海藻は酸性化や脱酸素化など、地球温暖化が海に与える影響を緩和することにより、海の生物多様性や、人々の食料をも守ることができる。(参考記事:「温暖化で「窒息」する海が世界的に拡大、深海でも」) 「ようやく海藻にスポッ
モデルとして活躍しながら調香作業に没頭し、フィトテラピーやアロマテラピーを実践するNOMA(ノーマ)氏がブルーバックスWeb初登場。「植物の香り」がなぜ人を魅了するのか、エッセイで探求していきます。 日常の中で、恋する人々のような瞬時の至福感をもたらしてくれる存在は「植物の香り」くらいではなかろうか。 光合成の後に続く二次代謝物として生まれた芳香物質は、さまざまな生き物を惹き付け、地球環境をより豊かに彩る大きな役割も担ってきた。 人間にとってもその役割は大きい。長い文明の歴史の中でも、植物の香りは医学や文化、あらゆる所で活かされてきた。私たちはその存在を知るだけでも多くの学びを得ることができる。 加えて現在の私たちは、その植物の香りを自分のタイミングで取り入れることができるようになった。長い歴史を持ちながら身近な生活でも有用なこれらの香りについて、科学的な考察も入れながら綴ってみたいと思う
プラスチックは、食料生産のあらゆる場面で使われている。写真のカメルーンの農園では、バナナに傷が付くのを防ぐためポリ袋をかぶせている。(PHOTOGRAPH BY UNIVERSAL IMAGES GROUP, GETTY IMAGES) 「マイクロプラスチック」と科学者が呼ぶプラスチックの破片はどこにでも存在する。海底やビーチの砂だけでなく、風にも混入し、さらには人体からも見つかっている。 2018年10月には、人間もプラスチックを気づかずに摂取しているかを調べる予備調査で、調査に参加した8人全員の排泄物からマイクロプラスチックが見つかった。(参考記事:「人体にマイクロプラスチック、初の報告」) 2019年6月5日付けで学術誌「Environmental Science and Technology」に発表された論文によれば、人は年間3万9000〜5万2000個のマイクロプラスチックを食物
新規顧客開拓・生産性の向上などの営業戦略や営業DX推進など、営業課題の解決を後押しする情報をお届けします。
2011年3月に発生した、東日本大震災とその後の福島原発事故。 それによって放出された放射性物質は、事故から7年以上が経過した今、どこに、どれだけあるのでしょうか。 日本科学未来館では、2018年3月10日に研究者を招いてシンポジウムを開きました。そこで研究者が語った内容のうち、大気や陸地、海洋に関する知見をまとめました。 シンポジウム登壇者: 中島映至(国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター) 恩田裕一(筑波大学 アイソトープ環境動態研究センター) 山田正俊(弘前大学 被ばく医療総合研究所) 信濃卓郎(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構) ※本稿は登壇者のプレゼンテーションをまとめたものです 8割が海に、2割が陸に飛散した 事故によってどれほどの放射性物質が放出され、その後どこにどれくらいの量が飛散して、今はどこにあるのか。これを解明するための研究は、
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く