1902年(明治35年)、兵庫県明石市生まれ。本名しげ。婚姻前の呼名は「津村君子」。兄は劇作家の津村京村。7歳頃から謡曲を習いはじめ、1921年(大正10年)、観世華雪に師事。東京と朝鮮を往復しながら釜山・京城(現・ソウル)で謡曲・仕舞を教え、京城で「羽衣」「菊慈童」などを演能した。しかしながら、当時の能楽界は女人禁制とされており、女性による演能は許されていなかったため、師から破門されることとなった。以後、非公式ではあるが東京・釜山・京城などで活動を続けた。 1939年(昭和14年)大槻十三門で正式に能楽界へ復帰。女性で初めて師範の免状を受ける。「猩々乱」披曲、準職分認定。大内正美と結婚。1948年(昭和23年)、女性の能楽協会への加入が認められた事を受けて、社団法人能楽協会に会員登録。1950年(昭和25年)「道成寺」を披く。同年肺結核に侵されるが、病床で新作能を手掛ける。1956年(昭