氷河期の最中だった紀元前3万4000年~3万年には、世界中の水の大半が広大な大陸氷床として凍りついていた。その結果、当時のベーリング海の水位は現在より何百メートルも低く、アジア大陸と北米大陸の間に「ベリンジア」と呼ばれる陸の橋が出現していた。ベリンジアは、最も広いときには、幅がおよそ1,500キロメートルに達していたと考えられている。ベリンジアは、木のない湿ったツンドラで、草や植生に覆われていたため、大きな動物が集まり、初期の人類は生存するためにそうした動物を求めて狩りをした。 北米大陸に到達した最初の人類が、自分では気づかないうちに、新しい大陸に渡ってきたことは、ほぼ間違いない。彼らは何千年もの間、先祖たちがしてきたように、シベリアの海岸に沿って狩りをし、獲物を追ってそのまま陸の橋を渡ってきたものと思われる。 これらの最初の北米人が、今のアラスカ州に到達してから、大氷河の間を縫って南下し