1日1冊、3年で1,000冊の本を読み、月産25万字を執筆し続ける小説家・斜線堂有紀。 謎めいた日常はどのようなものなのか―― その一端が今ここに明かされる。 毎月第一・第三月曜日、夕方17時に更新! 夕暮れどきを彩る漆黒の光・”オールナイト”読書日記が、本日も始まる。 六月!日 辻村深月先生の新刊『琥珀の夏』を読む。ミライの学校という教育施設から見つかった人骨。そこから呼び覚まされていくミライの学校で過ごした過去の記憶──という物語で、こうした外界に開かれていない場所の物語が好きな自分はワクワクしながら読んだ。『星の子』といい『教団X』といい、何故こうも惹かれるのだろう……。 言ってしまえばカルトものであり、作中でもそれを指摘される場面はあるのだが、この物語では、果たして全てをカルトと一括りにしていいだろうか? というところまで踏み込んで描いている。ミライの学校は敷地内にある泉を神聖視し