四国南部の四万十川や九州東部の汽水域に生息する「アカメ」(アカメ科)の性転換について共同研究している愛媛大学南予水産研究センター(愛媛県愛南町)と淡水魚水族館「おさかな館」(同松野町)は、今年も追跡調査を始めた。調査開始から6年目に入り、性転換の実態解明をさらに進める。 アカメは環境省のレッドデータブックで準絶滅危惧(きぐ)種に指定されており、個体数も少なく、生態は未解明の部分が多い。同センターの三浦猛教授やアカメを飼育する同館の津村英志館長らは5年前、18匹のアカメに雌雄を識別するマイクロチップを埋め込み、共同研究を開始した。 性転換する魚種はハタやベラなどが知られているが、一昨年、卵巣の成熟を促すホルモン投与などを行ったアカメの生殖腺の一部を採取して調べたところ、オスの1匹がメスに性転換しているのが確認された。 今年は18匹に、捕獲したものなど3匹を加え調査。体長や体重を計測し、血液や