・予想どおりに不合理 面白い。 人間は伝統的な経済学の理論ほど合理的な決断をしていない。だがその不合理な行動は十分に系統だって予想可能なものである。それが「予想どおりに不合理」というタイトルの意味である。消費者行動を操る心理学。 値の張るアントレをメニューに載せると、それを注文する人がいなくても、レストラン全体の収入が増える。5000円と3000円のコースが2つだけしかなければ安い3000円が売れるが、8000円のコースを加えると5000円を選ぶ人が増えるからである。メニューの作り方だけで消費者行動を操る実例がいくつも示されている。 たとえば25ドルのペンを買うときには7ドル安い店が近くにあれば移動してそちらで買う。しかし2000ドルのスーツを買うときには1993ドルの店が近くにあっても、今いる店で買うだろう。大きな買い物をするときは端数部分の金額の大きさが気にならなくなってしまう。 社会