「反脆弱性」は無秩序を歓迎する ──「反脆弱性」という用語は現在、物理学、生物学、都市計画、金融、医学、心理学、さらには哲学の分野の学術論文で数千回引用されています。金融からバスケットボールまで、「反脆弱性」に関して10冊以上の本が書かれています。この現象をどう説明されますか? 一定の限度を超えないのであれば、無秩序にも利点があります。私はトレーダーですので、「一群の無秩序(無秩序のクラスター)」から利益を得る金融取引を専門としています。無秩序とは具体的には、コロナ初期に我々が目にしたボラティリティ(価格変動の激しさ)やショック、危機、変動性、パニックといった現象です。 もし脆弱性を「無秩序を嫌うもの」と定義するのであれば、その対極にある「反脆弱性」についても正確な定義をすることができます。 ペルシャ語からモンゴル語まであらゆる言語で検索しましたが、この概念を表す言葉が見つかりませんでした
![“知の巨人”タレブがわかりやすく解説─不確実性や無秩序を力に変える「反脆弱性」とは | 「反脆弱性」があれば「ブラック・スワン」にも耐えられる](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/af73b03d1aa17a6698f64f8ceca71a0cdb381ebc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcourrier.jp%2Fmedia%2F2020%2F10%2F02034156%2FGettyImages-187917894-e1601545363948-1600x900.jpg)