箱根神社のルーツを語るには、まず駒ヶ岳(標高1356m)山頂にある「箱根 元宮(もとつみや)」の話から始めなければいけません。 現在の「元宮」は、昭和39年(1964年)、西武鉄道の創始者の堤康次郎氏が、箱根の神様に奉納した社殿です。箱根神社には、「拝殿」と「本殿」があります。通常、本殿には神様がいらっしゃるのが一般的ですが、元宮には「本殿」はなく「拝殿」だけしかありません。つまり元宮は神様を拝むための社殿(拝殿)なのです。 普通、本殿には御扉(みとびら)があります。元宮にもそれに似た御扉がありますが、扉を開けるとそこには真正面に箱根連山の最高峰「神山」(標高1438m)を拝する形式になっています。 箱根山で一番高い神山は、神様が降臨される神聖な山だったわけです。 今の箱根神社が建ったのは奈良時代中期といわれ、それ以前は、神山が拝礼の対象であったようで、この神山が箱根神社のルーツであるとい