どこの国でも、外国から見たら野蛮だと目に映る食文化があるものだ。例えば中国の犬肉料理などもその一つだ。中国各地に伝統的な「狗肉節(犬肉祭り)」の日というのがあるくらい、犬肉は好まれる。町をあげて大量の犬をみんなで食する一大グルメイベントで、かつては、全国各地から犬肉好きが集まったものだった。 だが近年、この犬肉祭りは、国内外の愛犬家たちから残虐だ、非文明的だ、動物愛護精神に反するなどと批判を受けていたこともあり、中止命令が出された地域もある。一方で、伝統的食文化を欧米の価値観で否定されることへの抵抗感も強く、ネット上でもしばしばはげしい論争に発展している。 先日、この「犬肉祭り」をめぐってついに流血沙汰まであった。食文化に誇りもこだわりもある中国人の間では、この犬肉食問題はサッカーワールドカップに次ぐ夏のホットイシュー。伝統か動物愛護か。食欲かモラルか。日本でもイルカ・クジラ漁を巡ってよく