年間約3万人といわれる孤独死――。少子高齢化で、単身世帯が急増する中、孤独死は、もはや誰の身にも起こってもおかしくない。 拙著、『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』の取材に当たっては、数々の孤独死現場を取材したが、その過程で驚かされたのが、飼い主と共に犠牲になるペットたちの存在だ。熱帯魚や、亀、ハムスターなど、孤独死現場では数多くのペットたちの亡骸を目にする。あまり知られていないが、孤独死現場では、犬や猫などのペットが遺されて、悲惨な結末を迎える例が少なくない。 そこには飼い主の亡き後、飢えや喉の渇きなどとともに、壮絶な苦しみの中で命が尽きた動物たちの姿がある。 原状回復工事(特殊清掃)に携わって10年以上になる武蔵シンクタンクの塩田卓也氏は、ペットと孤独死の現状についてこう語る。 「孤独死した人と共に、犬や猫などのペットが犠牲になるケースは決して少なくありません。孤独死した人は、生前