今から約1カ月前、9月9日付の「蘭州晨報」という、やや小さな地方新聞が、6月28日から9月8日の間に蘭州の解放軍第一医院に“某ブランド”の粉ミルクを飲んだ嬰児14名が腎臓結石に罹って治療を受けていたことを報じた。中国のネット情報は、「メラミン粉ミルク事件」(粉ミルクに化学物質メラミンが混入していたために多くの乳幼児が腎臓結石に罹っていた)を、責任の所在が明確となる紙媒体で最初に公にしたのはこの報道だとしている。 続いて湖南省、湖北省、山東省、安徽省、江西省、江蘇省等の比較的小規模な地方新聞につぎつぎに同様の記事が載るようになった。このころ、ネットにはすでに多くの強烈な抗議が書き込まれるようになっており、その勢いに押されたのか、遂に中央も公開に踏み切らざるを得なくなり、9月11日に政府直属の通信社である新華社が、そして大都市上海の大手新聞である「東方早報」が、ほぼ同時にその“某ブランド”の名