(左)医学書「銅人腧穴鍼灸図経」の裏面に貼られた中国・明の人事関連の公文書。上は同書の表面=名古屋市東区の市蓬左文庫で(川柳晶寛撮影) 17世紀に中国・明(みん)で製本され、現在は名古屋市蓬左文庫(同市東区)が所蔵する医学書の紙の裏面に、補強材として当時の中国の官僚人事にまつわる公文書が大量に使われていることが、同文庫と立命館大、京都大、愛知県立大の共同調査で分かった。公文書は、明王朝中枢で保管された正本で、現代の中国にも残されていないとみられる貴重な史料という。(谷村卓哉) 医学書は鍼灸の極意をつづった「銅人腧穴鍼灸図経(どうじんしゅけつしんきゅうずけい)」。明の首都・北京の紫禁城内にあった石碑から取った拓本を10冊の折り本にした。尾張藩初代藩主・徳川義直(1600~50年)が何らかの形で入手し愛蔵したと考えられている。 紙面の裏に別の文書が貼られていることは以前から知られており、昨年末