映画の魅力は細部に宿る。どうせ見るならより多くの発見を引き出し、よりお得に楽しみたい。「仕事と人生に効く 教養としての映画」(PHP研究所)の著者、映画研究者=批評家の伊藤弘了さんが、作品の隅々に目を凝らし、耳を澄ませて、その魅力を「よくばり」に読み解きます。 同時期にヒットした「バービー」と「オッペンハイマー」に重ねて、原爆のイメージとバービー人形を組み合わせたミームがSNS上で炎上した。これに限らず、原爆のイメージと女性は結びつきやすい。前編で「バーベンハイマー」現象の背景をひもといた「よくばり映画鑑賞術」。後編では、米国だけでなく日本でも、原爆のイメージがさまざまに用いられていることを見ていく。 「バービーの髪の毛はなぜキノコ雲になったのか:前編」はこちらから。 「ビキニ」と「原爆カクテル」さて、原爆のイメージを女性と結びつけた代表的な例としては「ビキニ」を挙げることができる。一般に