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ブックマーク / shosetsu-maru.com (6)

  • ニホンゴ「再定義」 第15回「ラノベ」 | 小説丸

    当連載は、日在住15年の〝職業はドイツ人〟ことマライ・メントラインさんが、日常のなかで気になる言葉を収集する新感覚日語エッセイです。 名詞「ラノベ 」 ラノベとは何か? ライトノベルの略である、などという言葉では何の説明にもならない。実際、稿を書いている21世紀前半の文芸界で、常に多くの人がさりげなくしかし確実に気にしながら、徹底的には突き詰められず、ウヤムヤのまま漂い続けているお題だ。まさか、文字通り「軽く読める小説」と定義している人はそんなにおるまい。それほどまでに「ラノベ」という単語には、何かに対するとらえどころのないアンチテーゼ的な色合いがまとわりついている。 なんといっても、イマドキ的言語空間における「蓋然性の王者」Wikipedia にして【業界内でも明確な基準は確立されておらず、はっきりとした必要条件や十分条件がない。このため「ライトノベルの定義」については様々な説があ

    ニホンゴ「再定義」 第15回「ラノベ」 | 小説丸
  • ニホンゴ「再定義」 第3回「ガンダム」 | 小説丸

    当連載は、日在住15年の〝職業はドイツ人〟ことマライ・メントラインさんが、日常のなかで気になる言葉を収集する新感覚日語エッセイです。 名詞「ガンダム」 そう、ガンダムは「日語」だ。しかも単なる固有名詞ではない。おおまかにいえば1990年以降に成人化した日人の「大きな原体験」のひとつであり、絶大な知名度を誇り、私が直接接した日人(文化的サンプルとしてそこにいくぶん偏りがあるのは間違いないが)では、悪く言う人を見たことがない。 そんなこともあって「ガンダム」という単語自体は、ドイツを含む諸外国でもそこそこ認識されている。かのデザイン巨匠シド・ミードが∀ガンダムをデザインしたとかあるし、お台場の実物大ガンダムは「トーキョー観光」の名所として有名だし。 だがそのコンテンツとしての文化的価値と意味を、的確かつ端的に外国人に伝えるのは、実はなかなか難しい。単語の知名度とは裏腹に「ガンダム 海

    ニホンゴ「再定義」 第3回「ガンダム」 | 小説丸
  • 武田綾乃「おはようおかえり 京は猫日和」 第2回「文豪の猫」(下) | 小説丸

    東京でイラストレーターの友達とルームシェアすることになったのは、大学卒業のタイミングだった。デビュー時からお世話になっている編集さんの勧めで、ノリで上京した。東京での暮らしは楽しかったが、バロンと離れ離れになってしまうことは悲しかった。は忘れっぽいというから、私のことなんてすぐに忘れてしまうのではないかと心配で仕方なかった。 だが、母親からの電話でそれが杞憂であることを知った。「バロンが今日、玄関にダッシュしてたのよ」と電話越しに母は言った。「ヤクルトのお姉さんがうちに営業に来たんやけど、声が高いからアンタやと思ったんやろね。お姉さんの顔を見てめちゃくちゃガッカリして、リビングにトボトボ戻って行ったで。可哀想やったわ」やけにしんみりと言われ、私もすぐさまバロンに会いたくなった。人間とは電話でいつでも喋れるのに、動物には電話であることが通じないのが悲しい。私の声を探して家の中を彷徨うバロン

  • 武田綾乃「おはようおかえり 京は猫日和」 第1回「文豪の猫」(上) | 小説丸

    エッセイの連載が始まった。こういう連載は初めてなので何を書くか悩んでいたが、そういえば大学生作家時代のことなんかはあまり文字にしたことがなかったな、と今更ながら思った。なので学生時代の思い出なんかを振り返って書こうかと思っている。 私は二十歳の時にを出版し、今年で七周年になる。京都の宇治で生まれ育ち、宇治で生涯を終える気満々だったのに、流れに身を任せてなんとなく生きていたら何故だか上京することになっていた。大学生作家とちやほやされた期間はとっくに過ぎ、気付けばアラサーだ。その割に、大した社会経験を積んだわけでもなく、運よく得られた仕事に生活の大半の時間を費やし、ダラダラと生きている。実際問題どうなんだろうな~、こういう人生って。なんて考えたりもしつつ、実家のに会うために三か月に一度は京都に帰っている。そしてお気に入りの茶屋で京番茶とほうじ茶をしこたま買い込み、また東京で働く日々だ。 実

  • 特別インタビュー 武田綾乃 「響け!ユーフォニアム」を語る | 小説丸

    目標は、全国コンクールでの金賞! 吹奏楽に青春を掛ける高校生たちの成長を描いた青春小説「響け!ユーフォニアム」シリーズが完結しました。TVアニメ・劇場版アニメも大ヒット。累計159万部を突破したシリーズは、なぜ吹奏楽に馴染みのない読者をも虜にしたのでしょうか? 6年の歳月をかけてこの物語に向き合ってこられた著者の武田綾乃さんに、その想いを聞きました。(2019年7月5日・都内某所にて) 「ユーフォニアムはこんな楽器」と胸張って伝えたい 小説丸 『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 後編』の刊行で、シリーズがついに完結しましたね。いま、どんなお気持ちですか? 武田 最終楽章の終盤はもう締切がギリギリだったので、ひたすらに慌ただしい感じだったのですが、最後のページを書き上げた直後は、やっぱり寂しさがこみ上げてきましたね。疲れがドッと来たのはその後でした。 小説丸 6年、で

    特別インタビュー 武田綾乃 「響け!ユーフォニアム」を語る | 小説丸
  • ハクマン 部屋と締切(デッドエンド)と私 第12回 | 小説丸

    詳しい経緯は怖くて見ていないのだが、簡単に言うと、出版社側の人間が、自社から出した作家のの部数と実売数をツイッターで暴露してしまう、ということがあったようだ。 人がどういう意図でそれを言ったかは置いておいて、傍から見ると「デカい事を言ってますけど、こいつの全然売れてないっすから」という晒し行為に見えてしまう。 古から続く、作家と出版社との戦いも、ついにここまで来たか、という感じである。 出版社側がそんな禁じ手を使うというなら、今後作家には銃の所持を認めるべきである。 このように、作家の多くが「ヤロウ…タブー中のタブーに触れやがった……」と部以蔵の顔になるぐらい件は衝撃的な事だったのだ。 読者の皆様が平素目にするの部数というのは、大体「100万部突破!」みたいな景気の良い数字だけだと思う。 「1巻8000部で発売中! 2巻が出るかどうかは未定!」みたいなしょっぱい数字は見たことが

    ハクマン 部屋と締切(デッドエンド)と私 第12回 | 小説丸
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